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Shaggy
Intoxication
 
Interview by Toshiaki Ohba / Photo by Mayumi Nashida / Translated by Ichiro Suganuma
 

どんなアーティストでも多少の浮き沈みはあるものの、全米1位を獲得したアーティストが100位圏外へと苦汁を舐めたのが前作。しかし「Church Heathen」では見事に欧米各国で1位を獲得し今年大復活。キングストンにある彼の根城、ビッグ・ヤード・スタジオの迷路のような通路の奥にあるリヴィングで、間もなく完成するニュー・アルバムについて話を聞いた。
 
●活動拠点は、今はジャマイカなの?
Shaggy(以下S):そうだよ。今はここジャマイカ、そしてニューヨークとマイアミの3カ所に家があるんだ。俺のレコードは世界中でたくさんリリースされているし、ツアーで世界を飛び回っているから拠点は多くないとね(笑)。
 
●前作のアルバム『Clothes Drop』のセールスは芳しくなかったみたいだけど、そこから学んだことと言えば?
S:今でも前作は、内容としてはとても良かったと思っている。ビッグ・アルバムだった『Hot Shot』や『Lucky Day』の後にも「Strength Of A Woman」や「Hey Sexy Ladies」といったビッグ・ヒットも出してるだろ? だから決して止まっていたわけじゃない。まあ、でも『Clothes Drop』の時はレコード会社(ゲフィン)のサポートが予想していたものよりも随分と足りなかったんだ。だから結果的に判断すると最高じゃなかったかもしれないけれどね。それが学んだことのひとつだよ。
(横からECが口を出す)
EC:あの『Clothes Drop』のジャケットは、Shaggyが決めたのかい?
S:ECはあれを好きじゃないのか?
EC:ああ、ダメだね。
S:確かにジャケットも良くなかったな(笑)。あとメジャーってのはいちいちうるさく口を出すしな。だから今回の『Intoxication』はメジャーからリリースするのは止めて、インディ(VP Records)からリリースすることにしたのさ。その方がサウンドにしても、リリックにしても、ジャケットにしても、自分が描いているヴィジョンをきっちり出せるし、それによってもっとファンに分かってもらえると思うからね。
 
●今年は初頭から「Reggae Vibes」(日本盤のみボーナス・トラックとして収録)がジャマイカで1位を獲得し、幸先の良いスタートを切りましたね。
S:実は、「Reggae Vibes」はずっと以前に書いた曲なんだよ。そうそうちょうど「Japan Splash」に出演するために日本に行った時だよ。となると1996年だったはずだね。(ビッグ・ヤードのボス)Robert(Livingston)がこの曲のことを思い出してミックスをしたら良い仕上りだったからリリースしたんだ。大ヒットはしたんだけど、あれはいつもの俺じゃない。この曲では歌ってもいるけど、俺はDJ以外の何者でもないし、それこそが俺のやるべき仕事だからな。
 
●続いて「Church Heathen」をリリースし、世界中で1位となる大ヒットになりましたね。その理由は?
S:そうだね、リリックの内容がヒットした要因だと思うよ。リリックはタイトル通り教会のことを言っているのさ。教会で実際に起こっていることだから、みんなが共感したんだろうね。若い人、年配の人、黒人、白人とかの垣根も関係のない話だしな。もちろんビートも最高だろ? パワーがあって、エネルギーに溢れているからついつい踊りたくなる。それに俺が歌っているんだからホットなのは間違いないだろ?(笑)
 
●ここにアルバム収録予定の11曲入のサンプラーがあるけど、前述のヒット曲以外にも実にShaggyらしい曲から新しいアプローチの曲まで入ってますね。
S:『Intoxication』には全15曲収録する予定だよ。でも日本盤はボーナス・トラックが入るようだから、もっと多くなるかもね(日本盤には「Wrong Move」と前述のジャマイカNo.1ヒット曲「Reggae Vibes」を収録)。
 
●プロデューサーには誰を起用したのですか?
S:Tony "CD" Kelly、Shaun "Sting International" Pizzonia。それからRobert Livingstone、Christopher Birch、Andre "Goldenchy" Fennell、Dwayne Shippyのビッグ・ヤード系の人たちだ。Dwayneはビッグ・ヤードの新入りで今後期待できる奴だよ。
 
●キャッチーな「Those Were The Days」、これはMary Hopkinsでおなじみの曲ですね(68年のヒット曲。邦題は「悲しき天使」)。
S:Shaggy はいつだって古い曲を新しい曲に生まれ変わらせるのさ。覚えているだろ? 「In the Summertime」はMungo Jerryだ。これは1位になっただろ? それから「Oh Carolina」、これはFolk Brothers。これも1位さ。「Angel In The Morning」だって1位だよ。だから「Those Were The Days」、そうMary Hopkinsのこの曲だってきっと1位になるだろうな(笑)。
 
● Sizzlaとの「Mad Mad World」、これはナイス・コンビネーションですね。ただ、Shaggy=ギャル・チューンという印象が強いけど。
S:「Mad Mad World」は、最終的には俺とSizzlaにCollie Buddzも加わることになるんだ。社会的なテーマの歌だって歌うよ。ただ、宗教と政治に関しては出来るだけ歌わないようにしているんだ。特に一つの宗派のこととか、プロテスタント対カソリックとか、そういう宗教の対立みたいな歌は歌わないんだ。ジョージ・ブッシュ対アフリカとかも作らないね。だけど、社会的なことはいつだって歌うよ。「Mad Mad World」は世界中で起こっていることについて歌っているんだ。いまの時代って俺たちが言及しなきゃいけないようなクレイジーなことがいっぱい起こっているだろ? それらを歌うのさ。温暖化とかさ。いま、科学が求められているんだ。ショックを受けて立ち尽くしている場合じゃないのさ。俺たちは実際に今、“Mad Mad World”に生きてるんだからね。
 
●今回はレーベルメイトのRik Rok、Tony Gold、Rayvonの他、Nasha、Sizzla、それにColllie Buddzが参加しているようだけど、やっぱり「What's Love」で参加しているAkonが気になります。
S:「What's Love」は、男が女と別れようとしている時の曲で、彼女は彼のことがまだ好きなんだけど、彼は彼女のもとを去ろうとしている。それは、彼には他の女が必要なんだからっていう曲で、Akonが「愛って何だよ? 関係あるのか?」って歌ってるんだ。曲自体はジャマイカで録音したんだけど、それをAkonに送って彼のパートを録音してもらったんだ。
 
 
 
●Akonとは付合いが長いの?
S:Akonのことは昔から良く知ってるよ。いい友達なんだ。Akonは素晴らしい男だよ。アーティストとして最高だし、ハード・ワーカーだね。いま大成功しているけど、それは当然だと思うよ。この先だってずっと活躍するはずさ。ECもAkonは好きだろ?
EC:もちろん!
S:そうだろうね。Akonがやっているのはレゲエとは違うけど、いつだって新しいスタイルのものを作っているし、平均点的なものはまず作らないしね。
(このインタビューの数日後にマイアミで開催されたビッグ・フェス「Best Of The Best」でShaggyを観た。実はShaggyの2人前のステージにAkonが登場したが、残念ながら共演はなかった)
 
●どの曲が一番の気に入り?
S:いまは「Woman Scorn」かな。「All About Love」だって好きだし(歌い出す)。でも日々変わっている。だから来週は違う曲を気に入っていると思うよ(笑)。
 
●もう「Oh Carolina」も「Boombastic」も知らない新しい世代のレゲエ・ファンがどんどん増えているけど、そういった状況をどう捉えているんですか?
S:俺は常に自分自身を再発見しているんだ。だから今この瞬間の俺は新しいシャギーなんだよ。新しいジェネレーションのファンは、この新しいシャギーを気に入ってくれる。それは間違いない。だって、俺自身がニュー・ジェネレーションだからね。
 
●ツアーの予定は?
S:早く日本でツアーしたいね。いますぐにでもさ。このアルバムがヒットしたらね(笑)。日本に行くのはいつだって楽しみにしてるよ。

 
『Intoxication』
Shaggy

[Pony Canyon / PCCY-01837]

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