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297    COLUMN    PLAY IT LOUD

STRICTLY THE BEST VOL.37 / V.A. [DJ SET]
[VP / VP1810]
巷に溢れるコンピ/ミックス物が、基本的に爆発済みブツの寄せ集め型に対し、S.T.B.最大の武器は導火線に着火段階で出荷、という正に“生もの”的セレクション。鮮度が命なダンスホールを熟知した、レゲエ配給最大手のVPが16年間続けるシリーズ盤だ。サキモノ取りかつ、「やっぱりムンガとアサシンが2曲入ったな」なんて年末総まとめな紅白的楽しみ方もできる、正にシーンの羅針盤。先着特典もナイス。[輸入盤](遠井なつき)
 
STRICTLY THE BEST VOL.38 / V.A. [SINGERS SET]
[VP / VP1811]
近年稀に見る程良質シンガーが豊かに実った07年。Tarrus Riley、Duane Stephenson、Jah Cureら高注目度のラスタ組から、俄然勢いづくのは遂に頭角を現したルーツ・ウーマンQueen Ifrikaと実力派Etana。Da'villeにAlaine、そして大御所勢Beres Hammond、Bitty Mclean等々実に大粒揃いでStrictlyなReggae Singer's Best。ただ美しいだけではなく、実に渋味の増したリッチ・テイスト盤にうっとり。[輸入盤](遠井なつき)
  
MORNING SUN / IDEAL VIBES
[NO NUMBER]
97年スイスはジュネーブでBassのThomas Schweizerを中心に結成された7人編成のルーツ・バンド。全篇マイナー調の音ながらとても洗練されたサウンド、且つメッセージ性の強い作品。04年に録音された物のようだが、リリースに数年を要したのには訳がある。バンドの中心人物であるトーマスが癌に侵され還らぬ人となったのである。その悲しみを乗り越え、遂に1stアルバムとして発表。一聴の価値あり。[輸入盤](楳原豊人)
 
MIRANDO CAER LA LLUVIA / MIMI MAURA
[OUIOUI / OUI-13]
アルゼンチンで活躍する女性シンガーの作品。濃厚、ラテンとレゲエ、スカのドッキング、両者の熱い抱擁に聞き惚れます。更に抜群の歌唱力と表現力に圧倒されてしまう。情熱120%、全ての楽曲が沸騰している。スペインの歌手、ベゴナ・バン・マトゥ以来の喜びを感じました。収録曲の中で、彼女がDJスタイルを披露している場面は、私のハイライト。才能ありますね、広い大地で野に花を咲かせる人だ。[輸入盤](磯野カツオ)
 
CREATION REBEL / DJ SPOOKY
[TROJAN / 06076-80581-2]
レゲエ・ファンの記憶に残る名曲達が、DJスプーキーの手によってリミックスされました。想像力をフルに発揮したハイパー・ワールド全開です。破壊ではなくオリジナルの良さを再確認し未来を加えた度肝抜きミックス。スプーキー本気モードでんなあ、ディスコ・ダブも飛び出します。ターンテーブルやミキサーに込めたレゲエへの想いは新旧のリスナーに届く事だろう。錆び付くなんて無縁の音なのさ。[輸入盤](磯野カツオ)
 
アンストッパブル/チーノ
[ビクター/VICP-64009]
Freddieを父に持ち、Stephenを弟に持ち…つまりはMcGregor家のDanielなのだが、ラッパー時代の芸名CappachinoからChinoに名を変えて1stアルバムを作ってしまった。既に「Red Bull & Guinness」他、ヒット曲も出しているので耳の早い読者はチェック済みだろう。Stephenをメインにトップ・プロデューサーが集結した本作は、表情豊かなトラックが揃ったが、新たな自分=Chinoとしての色を出す事にも成功している。(大場俊明)
 
アフリカン/ティケン・ジャー・ファコリー
[ライス/WRR-740]
余りにも辛いLucky Dubeの訃報で悲しみに沈むアフリカン・レゲエ界に、仏でも絶大な人気を持つTiken Jah Fakolyが全土を揺るがす肺活量で新風を吹く。激烈な政治的発言から故国を追われ、一心にジャマイカ・サウンドを追求し続けていた彼が、更にユニヴァーサルな視点に立ち、コラやバラフォン等アフリカ楽器を効果的に入れた強力ルーツ・アルバムを発表。ノック・アウト必至のパンチ力、実に爽快な大作だ。(遠井なつき)
  
デシジョン/サトリ
[スカ・イン・ザ・ワールド / SIWI-89]
待ちに待ったサトリの新作が出ました。彼は人の心に直接訴えかけてくる歌を歌う。ジャマイカ音楽好きなんやでーと叫んでいるかの様だ。ブルー・アイド・ソウルに似た繊細なタッチ、そしてモータウンの名曲「My Girl」のカヴァー、所々に入るサックスの音が胸を締め付ける、実はダブも好き。これが今作に対するカツオ分析です。急いだりしない彼のリズム、毛布と同じ温かさなんだ。人恋しい方にお薦めよ。(磯野カツオ)
 
ザ・スカ・レヴォリューション/マイティ・マサ&ザ・スカ・レヴォリューション
[ダウンビート/ピクタス/DLDB-2002]
スカを知り尽くし、ロック・ステディを知り尽くし、そしてレゲエも知り尽くし……肉体も精神も我が身全てをこの音楽に捧げ続けて来た音楽家、マイティ・マサが生み出した全編“打ち込み”による100%“スカ”なアルバム(ギターのみシガキが担当)。つまりマイティ・マサにしか生み出せなかった革命的な作品とも言えるだろう。賛否両論あるだろうが、ここ数日、鞄の中のCDプレイヤーにはこれが入りっぱなしだ。(大場俊明)
 
格差社会〜バッド・ラヴァーズ・セレクション/フライ-T
[ピクタス/DLCP-2082]
「フライ-Tって一体何者?」。確かに多才ゆえにフライ-Tの立ち位置を説明するのは難しい。しかし、彼の軸足は常にレゲエに据えていたのは事実。それを証明するには余りある彼の過去〜現在までのミュージック・ワーク集。初期Rub-A-Dub Market時代から抜きん出たマイク捌き、独特な間をもつトラック制作、引出しの多いプロデュース力。真摯でありつつユニークだったりアイロニーだったり…そんな音が詰まってる。(大場俊明)
 
ザ・ラヴ・ソング・コレクション 2006-2007/ミンミ
[ビクター/初回盤VICL-62674/通常盤VICL-62675]
結婚〜妊娠とプライヴェイトも多忙(=充実)だったこの1年間、そうした愛に溢れていたからこそ音楽活動の方も実に充実していたミンミ。本作はタイトル通り、この1年間に生まれた“ラヴ”をテーマにした曲と、今この瞬間の“ラヴ”な想いを込めた新曲やニュー・ヴァージョンを加えたコンセプト・アルバム。気温は下がるが街の雰囲気がほんわかと温かくなるこの季節にぴったりの曲が隅々まで詰まってます。(大場俊明)
 
ザ・リアル・シング ワーズ&サウンズ Vol.3/ジル・スコット
[ビクター/VICP-63976]
3年ぶりの3作目。アンドレ&ヴィダルといった盟友に加えストックリーらがソウル濃度の高い音空間を構築する一方で、サー・ラー・クリエイティヴ・パートナーズが新機軸を提供する等、アルバムが見せる表情は様々。しかしながら、離婚を乗り越えた彼女だからこそというべきか、ただでなくともパワフルなヴォーカル・パフォーマンスは更にその説得力を増し、その懐の深さは聴く者に癒しを与えるような気も。(石澤伸行)
 
イビー・メイキン・プロジェクト/ジャギド・エッジ
ユニバーサル/UICL-1017]
ソー・ソー・デフと共にアイランドへと移籍した4人組による通算6枚目の新作。これまでのヒット曲をメドレー仕立てにした幕開けにのっけからアガらされつつ、ジャーメイン・デュプリやマニュエル・シールら馴染みの制作陣による、主役の「歌」を立てた構成もあって、最後まで一気に聴かせる。アシャンティらゲスト陣も華を添えるが、どこをどう切っても彼らの喉がどっかと横たわるかのようで、心底シビれる。(石澤伸行)
 
トレイ・デイ/トレイ・ソングス
[ワーナー/WPCR-12766]
2年ぶりの2作目。デビュー時の身を纏っていたオールド・ソウル臭を後退させた代わりに、バン・Bやジム・ジョーンズらを招くことでストリートのイマを訴求。かと思いきや、アイドルとしてデビュー前から名を挙げていたR・ケリーとの共演を果たし、憧れをそのまま唱法に反映させたかのように、滑らかで艶のあるミッド〜スロウ攻勢に及んだり。シンガーとしての貫禄や引き出しの多さを実感させる一枚だ。(石澤伸行)
 
ジャスト・ライク・ユー/キーシャ・コール
[ユニバーサル/UICA-9019]
3年前のデビュー時に“ポスト・メアリー・J・ブライジ最右翼”との冠を得たシンガーによる2枚目。ミッシー、スコット・ストーチ、ロドニー・ジャーキンス、ブライアン・M・コックスら重鎮に加え多くの新進勢が参集。まずは音像のバリエーションの豊かさが楽しいが、持ち前のがんばりキャラとアツいコブシも相俟って、広がる歌世界には相変わらずヒリヒリするような感触も。ひと皮剥けたオンナの入魂盤。(石澤伸行)
 
J・ホリデイ/J・ホリデイ
[EMI/TOCP-66714]
ワシントンDC出身の男性シンガーによるデビュー作。どちらかといえば柔らかなタッチが印象的だったリード曲「Bed」だが、アルバムに臨む際にそのイメージは取り払った方がイイかも。ここに並ぶチリチリと静かに燃える漆黒の歌世界は、表層的な甘さだけを求める者にヤケドを負わせる類のもの。ロドニー、ショーン・ギャレット、トリッキー・スチュアートといったV.I.P.も、彼の歌バカ道に倣うかのようだ。(石澤伸行)
  
ワインズ&スピリッツ/ラサーン・パターソン
[Pヴァイン/PCD-4386]
3年ぶりの新作。キース・クロウチ、ジェイミー・ジャズ、ヴァン・ハントら気心知れた仲間たちとタッグを組んで繰り出す音楽には、スティーヴィー譲りの甘酸っぱ系なメロディ・メイカーぶりに加え、スライやザップ、そしてPファンクの戦士たちの意志を継ぐかのような黒い意匠もたっぷりで、涙腺だけでなく腰にも来る。特にスペイシーな感覚を備えたスタイリッシュ・ビートは、彼にとっての新たな武器かも。(石澤伸行)
 
UNDERWATER DANCEHALL / PINCH
[TECTONIC / TECCD003]
ブリストルにダブステップの種を蒔き、2つの自主レーベルを運営し、「ベーシック・チャンネルへの深い愛で、今日見られるベルリン〜ブリストル、ダブステップ〜ダブ・テクノの結びつきの開拓に大きな貢献を果たした」と評されるプロデューサー待望のアルバム。シンガーを配した事で角が丸くなり初回のインパクトは少ないが、聴く程に発見と深みを増す、正にクラシックと呼ぶに相応しい名作が誕生。[輸入盤](飯島直樹)
 
THE SKY IS MINE / ALPHA
[DON'T TOUCH / DOTO011]
通算8作目、4年振りとなるヴォーカル作。プロデューサーのコリンとシンガーのウェンディの2人組となって、シンプルながらその分焦点が絞れた感もある求道的天上サウンドを展開。これまで複数のシンガーを使い分けてきたのとは対称的ながら、それをマイナスに感じさせない表現力の豊かさが際立つ結果に。これまでの夕方から日没を思わせる暖色の風景が、今回は夜明けに独り見る日の出という感じに。[輸入盤](飯島直樹)
 
トロピデリコ/ザ・クァンティック・ソウル・オーケストラ
[ビート/BRTRU139]
カリブ海周辺から届いた文化が、英国文化の多様性に貢献しているのは周知の事実だけれども、逆に最近英国からコロンビアに移住したクァンティックの最新バンド作。正統派なファンクやソウルが高い評価を得たベテランだが、ここにはiPodのCMにも大抜擢された楽曲の続編ともいえる爽やかなカリブ〜ラテン風味が行き渡っている。クンビア・ソウル、ブーガルー・ファンクなんて組み合せ、聴いてみたくなるでしょう?(飯島直樹)
 
ハイ・ステッピン/ニコデマス・プレゼンツ・ザ・ピンプス・オブ・ジョイタイム
[ワンダーウィール/オクターブ・ラブ/ WONJ-05]
iPodのCMでクァンティックと組んだニコデマス全面プロデュースの、総勢18名、メンバーにプログラミングやDJも在籍するというバンド。ヒップホップやハウスをソウルやファンク、ラテン等のルーツ音楽と並列で血肉としているNYらしさ全開サウンド。歌声そしてアレンジにプリンスの影響が色濃く出た曲が多く、演奏もザックリとしたレア・グルーヴ感が出ていて◎。個人的にはこれ迄の当レーベル作で最も愛聴しそう。(飯島直樹)
 
フィル・ザ・ハート・シェイプド・カップ/カルロス・ニーニョ&ミゲル・アットウッド・ファーガソ
[コルド/ALPHA PUP/APRDC-016]
LAで生まれた最良の出来事の一つと称され、日本でも注目を集めているパーティLow End Theoryから生まれたレーベルの第3弾は、先頃傑作をリリースしたばかりのビルド・アン・アークやヒュー・ヴァイブレーショナル等で知られるカルロス・ニーニョの新ユニット。数多くのプロジェクトを手掛けながら、初めて本人名義を使っている事からも伺える、プライベートな肌触りが新鮮なスピリチュアル・ジャズトロニカ。(飯島直樹)
 
バスタード・ジャズ・プレゼンツ・ヒア・ノー・イーヴィル, シー・ノー・イーヴィル, スピーク・ノー・イーヴィル/DJキヨ
[ルーディメンツ/RMT-CD006]
ブルックリンのBastard Jazzレーベル音源を、NY在住日本人ユニットChimp Beamsのメンバーを橋渡しに、ターンテーブリストであり日本のヒップホップ・シーンの全盛期におけるMix Tapeの先駆者でもあるDJ KiyoがDJ Mix。黒煙たちこめるダブ・ブレイクビーツでスタート、ダブ、ジャズ、アフロ等様々な要素を匂わせるブレイクビーツが混在するが、全体を通じて登場するスモーキーな質感のビートが統一感を醸し出す。(飯島直樹)
  
グッド・ベイビーズ・スポンジ・ドール/モンク・ビート
[モンク・ビート/ジャパン・ミュージック・システム/NO NUMBER]
エンジニアは第三の演奏者だとMute BeatでのDub Master Xの存在が我々に教えてくれたが、きっと山口泰=Yasuも本能的に卓を楽器として扱っていたのだと思う。本作はそのエンジニアのYasuとマルチ音楽家Kohkiが組んだユニット、モンク・ビートの初作品集。音職人の二人ゆえに肌触りは細部に渡り繊細だが、時に大胆で雄大でもあり凶暴でもある。しかしその核となる部分は平穏で温かだ。UAやSayokoもゲスト参加。(大場俊明)

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