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Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
 
ALBUM
 
1. DJ Jin / The Groovement : Japanese Hip Hop Mix by DJ Jin (File)
Rhymester関係のリリース(マボロシの2ndアルバムや今年3月の武道館ライヴのDVD)が続く中、ターンテーブル指揮者DJ Jinも新作ミックスCDをドロップ。しかも今回は自身初となる“日本語ラップ・オンリー”のブツ。これがマタ彼のFunk魂に火をつけたと思しきモノから、自身のプロデュース/リミックスモノまで、年代、世代、クルー、色トリドリの全25曲。ライムス「B-Boyイズム」の持って行き方を含めて彼の黒〜いセンスとDJ技術が味わえる一枚となっている。
 
2. V.A. / Entsudj'smixshow2 (えん突つ)
“日本語ラップのハーコー・サイド”を代表する重要レーベル=えん突つレコーディングスのヒストリー・ミックスCD第2弾。DJ Missie、DJ Jack Hererによるガシガシのショート・ミックス・ショウを含め、CD化は初となる雷の「夜ジェット」からG.K. Maryan、Twigy、Rino、You The Rock★、DL、Illmatic Buddha MCs、D.O、チカチカ病院、剣桃太郎らのクラシック・チューンが続々と…。まさに息もつかせぬ怒濤のミックス! Seeda、Pit Gobの録り下ろし(「証言」ビート!)もシビレます。
 
3. Wu-Tang Clan / 8 Diagrams (Universal)
ウワサの新作、遂に登場! ODB亡き後、初となるオリジナル・アルバムは、8人の強者たちが縦横無尽に暴れ回る、ひたすらドープな“ウータンならでは”の濃ゆい内容に。ゲストにはP-ファンクの首領ジョージ・クリントンやジェラルド・アルストン(!)、そしてエリカ・バドゥ、レッチリのジョンらも駆けつけ、シングル曲は何とその役者2人が加わったビートルズの名曲「While My Guitar Gently Wheeps」のカヴァー(オリジネイター=ジョージの息子も参加)! RZAのサウンド・プロダクションも冴えまくってる!
 
4. Freeway / Free At Last (Universal)
親方=ジェイ・Zの新作以降リリース・ラッシュ状態の“ロッカフェラ”より、フィリーのへヴィ・ウェイト・チャンプことフリーウェイの実に4年ぶりとなる2ndも登場。前作で貢献したジャスト・ブレイズ、カニエの参加こそないものの、本人の趣向を活かしたソウルフルなネタ使いのビートと、例のイガラっぽいハイトーン/オリジナル・フロウの相性は凄まじく“ロッカフェラ”らしい重厚な一枚に。ジェイ・Z、50セント、スカーフェイス、リック・ロス、バスタ、そして“デフ・ジャム”入りしたジェイダキスら厳選豪華ゲスト陣も大活躍!
 
5. Cassidy / B.A.R.S.: The Barry Adrian Reese Story (J-Records)
懲役刑、そして交通事故と正に地獄を見た男、キャシディが帰って来た。フィリーのバトル・ラッパーとして恐れられていた彼は現在もGユニット等、的が多いらしいが、この3rdは新キャラクターとなる(?)B.A.R.S.と、前作で生まれたダ・ハスラの対決という“自分自身との戦い”から始まる、これ迄でも一等ディープなモノ。所属する“フル・サーフィス”のボス=スウィズとその弟分ネオ・ダ・マトリックスにハイテック、ディーヴォらが用意したビートも盤石で、キッチリとライムで勝負つけている主役はやはり“大器”と言うしかない。
 
6. Pitbull / The Boatlift (Victor)
「The Underground Railroad」のDJ/MC=エムスキーと、“アンクル・ジュニア/Mr.305、マイアミの今の顔と言えば、リック・ロスかこのキューバンMC。早くも3枚目となる本作もリル・ジョンやMr.コリパークら、ピットブル・マナーを弁えたビート・メイカーが集結し、マイアミ〜アトランタを繋ぐ“ベース”を土台とした最新ビートがズラリ。ロイドをFeat.したゴーストタウンDJズ「My Boo」のリメイクや、ルネRKのラテン・ハウスねた「The Anthem」、ジム・ジョーンズとのコラボ曲に、ドン・オマール、トビー・ラヴ、フランキー・Jら、ラテン勢とのセッションまで、彼らしい飴と鞭の効いた(?)1枚に。
 
7. Baby Bash / Cyclone (BMG)
チカーノ〜サウス・シーンの一番星=ベイビー・バッシュの“J・レコーズ”移籍第一弾。リル・ジョンのクランク・サウンドに“旬の男”Tペインを絡めた「Cyclone」が大ヒット中だが、本作にはそれ以上にヒット要素の高い“良く出来た楽曲”が幾つも入っている。ショーン・キングストンからキース・スウェット(!)まで、フィーチュアリング・シンガーもいちいちツボを突いているし、ラップ一本と言うよりは総合プロデューサー的な曲作りが上手い主役の目論みは当りまくり。かなり“男前”な過去最高傑作かと。 
 
8. The Pack / Based Boys (BMG)
ありそうでなかったヒップホップ版VANS(スニーカー)讃歌でブレイクしたベイエリア初の4人衆のフル・アルバムが完成。トラックも担当するヤング・L曰く“ベースト・ミュージック”という、同地で人気のハイフィーの様な激アッパー系よりもずっとベースの効いたエレクトロ・サウンドと、結構“クールな線”のマイク・リレーは“新世代らしい”フレッシュな何かを感じさせてくれる。ユーモア重視のリリックの世界観があーとわーくにも表出した本作で、ファン急増間違いナシ!?
 
9. Lumidee / Crazy (Avex)
"Diwali"に「オッオー!」というキャッチーなフレーズを乗っけて大ブレイクしたスパニッシュ・ハーレム出身のプエルト・リカン・シンガー/ラッパーの2nc。“TVT”に移籍しての今作は流石にじっくり腰を据えて作ったらしく、ヒップホップという“出自”を上手くアピールしつつ、レゲエとリンクしたルミディーのアーティスト性そのものにフォーカスした内容となっている。ピットブルとの「Crazy」をレンキーが制作していたり、シャギーとの「Feel Like Makin' Love」のラヴァーズ・リメイクやワイクリフとのセッション等、本誌読者も気になる曲が目白押し。
 
10. 1773 / Constant Motion (River City)
シカゴのアンダーグラウンド・シーンを代表する2人=ウィズダム・ワンとジャスト・Jによるサイド・プロジェクト=1773(シカゴのエリアコード)の初アルバム。ジャジー、ソウルフル、クール、哀愁といったこの手の必須キーワードは当然の如く該当するが、ここにはそれ以上のサムシングがある。中でも話題を呼んでいるのは、アナログ・リリースされた神奈川代表Volta Mastersによるタイトル曲と、「Heart Music」のリミックス。しなやかでいて力強い2人のラップが奇跡的なマッチングを見せるその“差し替えられたトラック”とは?

 
11. The Hello Works / Payday (Tearbridge / Avex)
急速にデジタル化が進む音楽界に、昔気質なアナログ・ライヴ・サウンドで悠然と立ち向かう10人の男達…。スチャダラパーとSly Mangoose、そしてロボ宙。職安と引っ掛けたと思しきそのネーミングといい、働いてる感アリアリ(?)のライヴ感のあるパフォーマンスといい、全てが予想を遥かに上回るスケール。もう切ない位にハード・ワーキン。ユルさ封印、でいてユーモア倍増(何くらべ?)。ハナレグミをFeat.した「今夜はブギーバック」のリプレイも有り。アリですアリ!
   
12. Anarchy / My Words (R-Rated)
「こんな感じは過去には無いだろ!?」というフレーズそのままの話題のコラボ曲「Switch Sides」を含む京都“R-Ratedの核弾頭”Anarchyの4曲入マキシ。ジェイ・Zや50セントにトラック提供した事で知られるNYのB-Moneyが手掛けたその曲は一歩も引けない漢の生き様そのもので、前々からAnarchyを讃えていた漢(MSC)との火花を散らす様なセッションに思わず鳥肌が…。同じくB-Money制作の他の2曲にBlast Off ProのBudo制作の表題曲全てが完全に振り切っていてヤバいの何の。まるでレザー・シャープ! 必聴。

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