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Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
 
MIX CD
 
1. DJ George / Most Focus On Bay4k - Korean Warrior (Focus)
DJ GeorgeがMixする“Most Focus On”シリーズの第3弾は、From川崎、Scarsのbay4k! 大阪を拠点に夜毎パーティを盛り上げつつも、SeedaのライヴDJも務める彼のスキルの確かさは、これまでのタイトルでも証明されていたが、今回もスクラッチ、ブレンド(?)、あらゆる点で高水準の内容に。bay4kの代表曲にHi-A+Pro制作のここでしか聴けない録り下ろし新曲(遊戯、MMT、The 9 Far East、Wolf Pack、Jazzy Blaze、Gazzila他が参加)やフリースタイル、スキットまで、気の抜けない感じもこれまで同様。さて、次は誰だ!?
 
ALBUM
 
2. The Roots / Rising Down (Def Jam)
独自の路線を突き進むザ・ルーツの記念すべき10作目。今回も得意の(?)書物からサンプリングしたタイトなコンセプト・アルバムとなっている(ネタ元はウィリアム・T・ヴァルマン)。しかしながら、ベースのハブ脱退以降、サウンド・プロダクション的には明らかな変化があり、ジャムの延長線上の曲が殆んどなくなり(といっても生っぽいGo-Goモノをやっている!)、クエストラヴのビートもよりソリッドになった印象。また、グループ唯一の声=ブラック・ソートがオーガナイズしたと思われるゲストMC陣(元メンバーのマリク・B、ダイス・ロウ、モス・デフ、タリブ・クウェリ、コモン、サイゴン、ピーディ・クラック、スタイルズ・P他)のパフォーマンスも痛快そのものだ。傑作!!
 
3. AZ / Undeniable (Koch)
ザ・ファームの束の間のリユニオン等の騒動もあったが、巻き込まれたコーメガとは違って(?)、この男は至ってマイペース。昨年発売の編集盤『Memphis Sessions』に続く、オリジナル新作となる、“Koch”移籍後の本作も、ハードボイルドな彼の流儀が貫かれた、長年のファンには間違いないモノ。ゲストにレイ・J、ドゥウェレ、スタイルズ・Pなどのレーベル・メイトを迎え、ラージ・プロフェッサー、リル・フェイム(MOP)、ノッツ、ストリート・レイディオらが用意した硬派なビートで、スピットするその姿はやはり神々しくもアリ…。
 
4. 9th Wonder & Buckshot / The Formula (Duck Down)
ソロ・アルバムの作風や、エリカ・バドゥ「Honey」のプロデュースで最近では歌モノ制作の印象が強いかもしれない元リトル・ブラザーのナインス・ワンダーと、ブラック・ムーンの中心人物にしてブート・キャンプ・クリックのリーダー=バックショットの強力コラボ再び!! 確かなライミング技術とぶっとんだリリックスで同業者から一目置かれ続けているバックショットのラップが最も映える音といえばビートマイナーズと答えるのが筋かも知れないが、ピート・ロック直系のソウルフルでネタ感の強いトラックを得意とするナインスも負けてはいない。タリブやM-1らも参加した本作では大ネタも炸裂!
 
5. EMC / The Show (Traffic)
思わず“いいMC揃い”とかいう下らない洒落をかましてしまいそうになるスーパー・ユニット=EMC。その面子はジュース・クルー出身のマスター・エースを筆頭に、彼の弟分ストリクリン、そして一時は“ロウカス”にもいたパンチライン&ワーズワースという「ショウで確実にロックする」4人のエクセレント・マイク・コントローラーがその実力をいかんなく発揮した本作は、震えが来る程の剛速球ヒップホップ・アルバムと言い切りたい。マルコ・ポーロ、ニコレイ、アヤトーラ、クインシー・トーンズ、フリクエンシーらのトラックも文句ナシの黒さで、その旨みを引き出すタイトなリレーにやられた次第。
 
6. Lil Mama / VYP - Voice Of The Young People (BMG)
デビュー・シングル「Lip Gloss」のヒットの後、再度セットアップされてのアルバムが到着。ラップがうまいだけじゃなく、ダンスや振り付けもデキる、このブルックリン出身の18歳は、クリス・ブラウンにT-ペインという鉄板スター達をゲストに呼んだ最新シングル「Shawty Get Loose」からも伝わってきた通り、エンターテイナーとして既に完成形に近い自分のスタイルを持っている。アヴリル・ラヴィーンのあの曲の例のリミックス(本作の日本盤には特別収録)などで知られるドクター・ルークらによるプロダクションも彼女のはっちゃけた魅力を増幅させる類で、ポップで芯のある内容に。
 
7. Time Machine / Life Is Expensive (Miclife)
『Slow Your Roll』で、所謂ジャジー・ヒップホップ・ファンから絶賛された、ワシントンD.C.出身の3人組の2nd。陽気なヒネクレ者の彼等だけに今回は流石にその路線は押さえられており(?)、どちらかといえば“未来からの音(像)”にシフトしていて、これがまた十八番のパーティ・ラップにぴったり、だったりする。このエレクトリックな方向性(?)をどう受け取るか、によって評価も変ってくるだろうが、筆者は間違いなく肯定派、である。フィーチャリングされているグレッグ・ナイス(!)の名調子に反応しない手はない、というもの。 
 
8. THE LEGEND$ (565&DEN) / Justice (Legendary)
噂が噂を呼ぶTHE LEGEND$が遂にベールを脱いだ…。妄走族の“世田谷ギャングスター・ラッパー”565(ソロも2作アリ)と、マル妄のみならずGas Crackerz、ソロ作でも気を吐いたDenの2人がガッチリとタッグを組んだこのプロジェクトは、本作でも連呼されているようにピース・トゥ・ダ・ハーコーなものに違いないのだが、ゴリゴリのガテン系一辺倒ではなく、豪華ゲストの導入や曲調も様々な実によく練られている。DJ Hondaを始めとするトラックメイカー陣も磐石のタイトさだ。
 
9. 韻踏合組合 / Superstar (IFK)
Head Bangerz、Chief Rokkaと個別グループのリリースを挟んでのクルー作。話題の「Head Banger」リメイク(といってもオリジナル!)から、タイトル曲他、約半数が韻踏名義の全員参加曲で、2ユニットの新曲も存分に楽しめる仕掛け。スタイルこそ違えど、考えオチ的なパンチラインを連発し、そこに深い意味があろうとなかろうと軽快にライムしまくる彼らのラップ・ワールドは確実に進化し、またも最高傑作と呼べる域に。プロデューサーは元メンバーのEvis Beats、現組合員のDJ Kanを始め、King 3LDK、Ali-Kick、Mr.Fukusan、Akio Beats他。
 
10. 10For Efdee / 104 -4 Japanese- (FS A&R)
固い絆を誇るEf =FillmoreとDee=Destinoからなる10For Efdeeの初アルバム。極東ウェッサイ・シーンで活躍中の彼等が“全ての垣根を飛び越えてリンクした”日本のアーティスト達(AK69からDeliまで)を全編にFeat.した本作は、トラックメイカー陣に勝手知ったるDJ Ryuuki、DJ Go、Fuekiss!!だけでなく、Buzzer Beats、Knock、Subzero、Yakkoらも加わり、全10曲全てがタイプの異なる質感に。次世代も視野に入れた誇るべき日本の才能を知らしめたい、という熱いメッセージは、どこまでも“前向き”だ。
 
11. LGYankees & Gipper / 1-One- (KSR)
北は仙台のLGY改めLGYankeesと、川崎のNora Dogg=Gipperのコラボ・ミニ・アルバムが到着。歌っぽいフロウのHiro、ダミ声スタイルのRyo、そしてレイドバック・スタイルのGipperの3人のコンビネーションは、“L”サイドからDJ No.2、“G”サイドからはFuekiss!が尽力した多彩なサウンド・プロダクションの上で弾けまくっている。ウェッサイ・シーンで活躍してきた両者の持つポップ・センスが絶妙にブレンドされた感じは、女性シンガー=Noaや、男性グループClefにレゲエ・アーティスト=Shana、それぞれの参加曲に表出している。
   
12. 鉄板Boyz (Shingo☆西成+Primal) / 鉄板Boyz (P-Vine)
合言葉は“ジュウッ!!”。Libraの東西スーパー・タッグ=Shingo☆西成+Primalが強力シングルを発信。神楽坂の鉄板焼屋で働くPrimalが、粉もん大国=大阪を訪れた際にShingoに誘われ向かった先が鉄板料理屋だった事から結成された、という噂のほどは定かではないが…。“冷めた世の中”に贈る2曲+αのメッセージも実にホットだ。ロング・ヴァージョンも存在する、その“ファンキー・ブルース編”には、正に鉄板のネタ使いのドス黒いビートを提供したMaki The Magic参加。彼もまた“広島焼き”の国出身だったのだ…。

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