PETER MAN
RAGGAMAFIN
Interview by Takashi Futatsugi / Photo by Yukawaa
ここのところ“Blappanese”a.k.a. Peter Manの動きが活発だ。この夏にはTiggerzの一員として作品『One』をリリースしたばかりだが、今回は彼がプロデュースした2ウェイ・アルバム『Respect To Reggae』をプロデュースしたので語り倒してもらった。
“Blappanese”のいわれですか? ジャマイカのゲットーで、向こうの連中に「Blackanese!」って呼ばれたのが発端で。それやと“Black”全ての文字が入ってるから、Japaneseの割合を増やして、あとPeter Manの“P”も重ねて。意味合いとしては、黒人の音楽を自分流にやってる日本人。今回入ってもらったアーティストとか、ホンマ感覚的に黒人に近いと思うし。ノリとかアイデアとか。レゲエをやる以上、そういう部分はこれからも大切にしていきたくて、おととし自分のレーベルを立ち上げるにあたってコレにしよ!と。
このアルバムは、タイトルにもなってる「Respect To Reggae」って曲を作ろうと思って、ジャマイカに飛んでスティーヴン(・マクレガー)のオケで、その曲を録ったことから始まりました。「ええオケGetしよ!」と思って彼のスタジオに行ったら、ラフなビートだけのものがあって、色々リクエストしながら。その意味でもラッキーでしたね。ホンマ天才でしたよ。ギターの弦の緩め方から、機材の使い方まで全てが。で、オケのタイトルも無かったんで、彼に決めてもらったんですけど、そのまんまやん!というか(笑)。ジャマイカらしくて。とにかく、そのオケ“One Drop”がいいデキだったんで、リアル・ジャマイカな感じで7インチでリリースしたいな〜と。で、色々と声掛けさせてもらって。だから、アルバムになったのは、成り行きです(笑)。で、もう1つオケが欲しいな、と思って、サウンド時代からの友達Hermitに“Slow Dawn”の方を頼みました
。“One Drop”の方がマイナー系なんで、Hermitにはメジャーコードで、って頼んで。彼は、今はルーツ系の方が得意なんですけど、通ってきたところが一緒なだけに、それだけで伝わったと言うか。途中で(スーパー・キャットの)「Sweet For My Sweet」のフレーズも出てくるんですけど、流石やな、と。その2つのオケで“陰と陽”を表現したかったんですよね。参加してくれてるアーティストには、大まかに“愛”をテーマに書いて欲しいとだけ伝えましたね。面子は、テーマがテーマなんで、“自分が影響受けたアーティスト”に入って欲しくて、そんな感じになりました。コンビや、コーラスやってる曲を含めてPeter Manの出番がなにげに多いんですけど、これも“成り行き”でなったと言うか(苦笑)。例えばBoogie(Man)さんに「コーラスやらせて下さいよ」って言うじゃないですか。そしたら「もっと絡んだらええやん」みたいな感じで。そこはもう、自分のレーベルやからええかな、と。
テーマに関してですか? ここまで夢中になれるもんって、今までの人生でも他になかったな、って改めて考えたりしてたんですよ。小さい頃は、野球やバレーボールもやったりしてたんですけど、レゲエに出会ってからはもうレゲエだけ、というか。これ以上自分をうまく表現できて、人生賭けれるもんは他にないし。ジャマイカは未だに行く度にヤラレるし。それなりに時間と金もつぎ込んだし。あと、やっぱりレゲエを通して知り合えた大切な友達も多いから、そういったこと全てに改めて“感謝”したいなあ、と思ったんですよね。あと、僕の曲「Welcome To Festa」のリリックからジャケの絵(教室)を仕上げてもらったんですけど、結構“そこの部分”は大切かな、と思うんで。聴いて考えてもらえたら嬉しいですね。
"Respect To Reggae"
V.A.
[Tokuma Japan / TKCA-73374]