この夏、「Throw Ur Drinks Up!!!」でお茶の間を賑やかしてくれたDJ HASEBE。更に彼が主宰するイベント、「FOWL」の実況版的ミックスCD『DJ Hasebe Presents The Partyline!-Hip Hop Party Mix』もリリースと、活発な動きを見せる彼にインタビュー。


今度の「Throw Ur Drinks Up」は今までのDJ HASEBEの制作の曲からするとどういう位置付けになる曲なのでしょうか?
DJ HASEBE(以下H): 「…延長線上っていうか、あんまり新しいことをやろうっていうんじゃなくて、本当は今年あんまり自分名義で活動するのは止めようと思っていたんですけど、とりあえずZIMAのCM制作があって、もったいないし、なんらかの形で残そうと思って、シングルの形で話を進めていて」

CMということは「Throw Ur Drinks Up」の制作に何か関係ありましたか?
H: 「あの曲自体が100%CMだというので、気を使って、15秒間でどれだけ、印象に残るかっていうところで…酒の歌で。CMでいかに耳に残すかっていうのが重要でしたね」

フックとか、そういう部分も。
H: 「リリックもなかったんですよ。で、フィーチャリング・アーティストも決まっていない段階から、制作は決まっていたんで、ラップで印象を残すというよりもフックとかで…トラック自体で耳に残すいうのが大事だなって。最初、何パターンか作って、2小節ループ、4小節ループとか作ったんですけど、15秒だから、4小節だと1回聞かせて終わりになっちゃうんで、じゃあ、1小節にして、4〜5回聞かせた方がいいんじゃないかって思って、ああいうフレーズが出てきたんですね」

その後にフィーチャリング・アーティストが決まっていったんですか?
H: 「そうですね。マイク・リレーじゃないけど、ヴァースやってもらって、それでまとまればいいかなと。Mr.Cheeksもたまたまで。その時期に、アメリカの知り合いやロウヤーやらを通じて、今トラックを欲しがっているアーティストに自分のトラックがいくようになっていて…それでたまたまMr.Cheeksにも自分の作品がいったみたいで。で、すぐ絡みたいって言ってきて(笑)、“いや、すぐは絡めないよって、でも、今こういうプロジェクトやってるから”っていうことで、“それじゃ”っていうことになって。USAリリースもするから、それ絡みたいって、ノリノリになってて、
日本の作品だから、サビだけ参加してもらって、アメリカ・ヴァージョンはMr.Cheeksやってみようよって、今話を進めている最中ですけど」

パーティ・チューンにはBOY KENは欠かせない存在ですか?
H: 「僕、KENちゃんと絡むの初めてなんですよ。昔から、絡もう、絡もうって言ってたんですけど、作品で絡むの初めてで。不思議と。でも、ミックスCDとか遊び的には絡んでいて、まぁ、いつものKENちゃんでいてくださいって頼んでたんですけど。Mr.Cheeksでサビが決まって、英語だからバイリンガル系のMCがいいかなって思って、そのへんでヴァーバルとスフィアが決まって、で、最後、やっぱり面白みがないとって、じゃ、KENちゃんやってもらおうかなって」

バランスが凄いいいと思うんですよ…いわゆる現場って言われている場所でのDJの時のパーティ感とあのCM曲というのは、何かつながりはありますか?
H: 「そうですね。自分的には、結びついている。自分が回す音質だったりとか、最近のアメリカのヒップホップの質感とは違うけど、自分的には、90年代の初期とか、80年代の後半とか、もうすごい、そのあたりを無理矢理かけてるっていうか、すごいかけてるんですよ。最近の子は知らないから。そこらへんも…なんだろ、90年代の初期の感じっていうのは、出したいなっていうのはあって、サンプリングを使わなくても、そこらへんは質感で出せるかなって…自分的には、90年代初めや、80年代終わりのパーティ感みたいのは、あそこに出せたというつもりですけど」

それはミックスCD『The Partyline!』にも違和感なく溶け込んでいると思います。
H: 「そうですね。ミックスCDはもろ、EMI音源を一生懸命集めて、コアにはしないで、分りやすくなり過ぎず、結構、(ミックスCD)は分りやすくはなったと思うんですけど」

あの時代の音っていうのは、DJ HASEBEというアーティストにとっては、ルーツ的なものだったりするんですか?
H: 「そうですね。僕がヒップホップをちゃんと聞き始めたのって、87年とか、そこぐらいなんで、高校の時ですね。そこらへんは残ってますね。90年代入って、特に、92年、全部、出た曲、レコード屋に並んだ曲全部かっこよかった。今の作品にもそこらへん自然と出していければ、と思っていて」

 今後はOLD NICKという名義で、ヒップホップに固執しないプレイも考えているという彼(例えば、野外パーティでのプレイなど)。「Throw Ur Drinks Up」は幅広い層へのアピールが期待出来る曲だと考えられる。



"DJ Hasebe Presents The Partyline!-Hip Hop Party Mix" V.A
[Toshiba EMI / TOCT-25224]




"Throw Ur Drinks Up!!!"
DJ Hasebe
[Toshiba EMI / TOCT-4556]





3"Fresh!-Jazzy Groove Mellow Vibes & Hip-Hop Beats" V.A.
[Toshiba EMI / TOCP-67211]