待たされました！　実に7ヶ月振りの3rdアルバムがいよいよ到着。一昨年前の来日公演（"Technics Presents SL-1200 Night"）の興奮を昨日の如く“覚えている”ヒトも、このド渋なサード・ステージにハマること必至。ソロ・アルバムが絶好調のカニエ・ウエストをプロデューサーに迎えたシングル曲「This Way」に驚いたヒトも、まずはご安心を。ダイレイテッドの本質はその曲を含め、何ら変っていないのだから。

●来日公演を振り返ってみて一言お願いします。
Rakka（以下R）：滞在こそは短かったけど、とても楽しめたよ。また行きたいよ。
Evidence（以下E）：ショウとしてはその1回だけだったんだけど、言語の壁を越えてみんなと通じ合えたのがグレイトだった。アーティストではMuroが特に印象に残ってるよ。
●以前の2枚のアルバムを改めて振り返ってみてコメントして下さい。
E：誇りに思っているよ。あの2枚のアルバムから得たモノは多いからね。
R：同じく。俺たち“らしさ”は十分に伝えられたから。でも今は3rdのことで頭が一杯だな。それくらいの勝負作だからね。
●では、その3rdでダイレイテッドは具体的にどう変ったと言えますか？
R：ズバリ“進化”したと思う。でもそれは、言ってみれば内面的なものだからね。
E：トピックスについてもそうだと言えるしね。新しいことに意識的にチャレンジしている。特にカニエ・ウエストとのシングル曲とか。
R：確かに新しい扉を開けたと思う。でもそれは、これまでの2枚のアルバムでこじ開けたドアから進んでいって手に入れたものなんだ。
E：ずっと聴いてきてくれた人にとっては、正調が手に取るように判るんじゃないかな。
●アルバムに収録されている楽曲について少し教えてくれませんか？
E：OK。1曲目は「Marathon」って曲になる予定なんだけど、これは俺等のマテリアルの中でも最もソリッドな曲だ。アルケミストのトラックなんだけど、D&Dスタジオが閉鎖になる直前にレコーディングしたんだ。
R：そうなんだ。このアルバムのレコーディングの最初の一曲だったんだ。アルバム全体のことを話してもいいかい？　これは俺たちのルーツや土台になってるものに対しての敬意が含まれた作品なんだ。それでいて未来をちゃんと見据えているような。フィロソフィー的な部分は全然変っちゃいないんだよ。何というかカッティング・エッジ・トラディショナリズムというか。そういう俺たちのカラーが良く出た作品になった。
E：特に気に入ってる一曲となると、「Love & War」かな。「Worst Comes To Worst」を彷彿させるサウンドなんだ。身内じゃあ「I Can't Fake It Anymore」って呼んでるんだけど。本当、誇りに思ってる曲なんだ。
R：俺の場合はやっぱり「This Way」かな。それか「Marathon」のどっちをシングルにするか、かなり悩んだからね。

●参加しているプロデューサーやゲスト陣についてもコメントして下さい。
R：プロデューサーはアルケミスト、ジョーイ・シャベス、エヴィデンス、バブー…まあいつもの面子というかイン・ハウス・プロダクション・クルーが中心になってるけど、今回は他にもカニエ・ウエストやニュークリアス（カナダのバトル・アックスのアーティスト／トラックメイカー）、リーフ（ファット・ジョーや50セントらをプロデュース）も参加してくれてるんだ。
E：ゲストMCは、デヴィン・ザ・デュード、ファル・ダ・アゴニー、デファーライ、プラネット・エイジア、あとカニエ・ウエスト。殆どが仲間みたいなもんだね。
●西海岸のヒップホップ・シーンは今、どんな状況にあると捉えていますか？
R：“The Entire Word Of Mouth Tour”っていうサーキットをジュラシック5とスーパーナチュラル、あとビート・ジャンキーズで回ったんだけど、凄くいい経験だった。まあ自分達を取り巻くところについてしか上手く説明出来ないけど、いい状況だとは思うよ。カルチャーが健全に存在しているというか。
E：多様化してるよね。でも、それが美しいと思うんだ。
●再来日を望んでやまないのですが、その“可能性”は？
R：出来る限り早く行きたいんだ。詳細はまたDilatedpeoples.comで発表するからチェックしてくれ。とにかく日本も日本のファンも大好きだから。いつもサポートしてくれてありがとう。俺たちのショウまでしっかりスタミナつけて待ってて欲しいね。
E：Will Be Back A.S.A.P !!　それまでこのアルバム『Neighbourhood Watch』を聴き込んで待っててくれ。このアルバムはどこをとってもダイレイテッド・ピープルズらしい出来だから、みんなにも気に入ってもらえると信じてるよ。

　尚、今回のインタビューには残念ながら欠席となったDJ Babuはアルバムのラスト曲「DJ Babu In Deep Concentration」でその指先で雄弁に語っているのでご安心を。