アナログが全然売れないこのご時世、なんと2枚のアナログが数時間で完売し、さらに限定販売のCDシングルまで即日完売と、やはり注目度No.1であったことを見せつけてくれたKaminari-Kazoku.。そんな彼らのアルバム『330 -more answer no question-』が完成した。今回はKaminari-Kazoku.を代表し、Rino Latina IIがその内容を語ってくれた。。

 Rino Latina II、Twigy、You The Rock★、G.K. Maryanを中心に展開してきたそのクルーは、今まで「雷」と名乗ってきた名義を、「Kaminari-Kazoku.」に変更した。まずは、その理由が気になる。
 「画数の先生に調べてもらったら、大変な名前だったんだよ。今まで表記してたものが全部駄目で。例えば“東京雷家族”にしても、大凶で」(Rino)

 なるほど。それはマズイ。で、心機一転、各々がソロで活躍してきた後に集結して、Kaminari-Kazoku.結成から約10年にしてアルバムを初めてリリースする。そのレコーディングを通して、改めてKaminari-Kazoku.とはどんな居場所だと感じているのだろう?
 「頼もしい感じだよね、やっぱ、みんな居てくれると。そうすると自分の役割が物凄く出来て。例えばソロでやると何人もの自分、要するに多面性を出して1曲にしていったりって、(そういう事を)俺はよくやるんだけど、そこはもう完璧に任せられるから、そうするとより自分が何をするべきかっていうのが出てきたし。うん、サッカーでいうリベロだよ。ここに居ると、俺は守備的なポジションをとった、そして勿論、必要に応じてオーヴァーラップし、シュートもするそんな役割。何しろ個性豊かだから、色んなアイデアが発生するんだよ、本当に。実際、今回のアルバムに入りそびれたのが数曲あるし。だからもう次のアルバムのことも考えてる」(Rino)

 そうして高いモチベーションで完成したのが本作、『330 -more answer no question-』だ。
 「最初、タイトルを『Re-Quest Of Hip Hop』って考えていたんだよね。リクエストに応えるって意味や“Quest”、つまり探求心って意味で。“330”って言うのは、ピカッと雷が光ってから一秒毎に雷が空気を切り裂く雷鳴のスピードの事なんだ。エネルギー量が高ければ高い程、もっとスピードは増すんだけど、平均して一秒間に330m進むんだよね。つまりピカッと光った瞬間から何秒でゴロゴロ〜って聞こえたかによって雷との距離を知る事が出来るんだ。あと“さされっ”や“みみを”など、色んな意味が詰まっている。ジャケットには最初のコンセプトでもあった“探求心”を意識して、一億年以上前に世界を股にかけていた海の民を海賊風にしてみたんだ。このアルバムに何億年経っても色褪せないパワーとアンサーを詰めた証を残す意味を込めたんだ」(Rino)

 実際にこの探求アルバムを聴いてみて意外だったのが、リリックでかなりユーモアがタップリだったところ。けど、強烈なハードコアであることは間違いなくて…。このユーモアとハードコアのバランスが、天才的。
 「俺らがごり押しで来ると予想されていたことを、上手いことかわせたよね。Twigyから言わせれば、最近のHip Hopがこうじゃなくちゃいけない、ってなって来ちゃっているから、Hip Hopって色んな要素を取り入れられるなんでもありなものでしょっていう部分ももっと表現できればなって思ったし。あと、オリエンタル感はしっかり出でるでしょ。昔からコンセプトはアジア・ツアーだからね」(Rino)

 このことを補足するためにも、以前、You The Rock★が話してくれいたメッセージを加えたい。
 「俺さ、最近思うのはさ、Kaminari-Kazoku.は凄いみんなの詞が暖かいよ。今流行ってるHip Hopのワードは出てこないし、全然違う。心地良い。リラックスしちゃうっていうか、Kaminariってそれこそハードコアだ。今回、このアルバムがナマハゲみたいなアルバムの状態ではなかったっていうところが、1番俺の中で落ちてるよ、雷が」(You The Rock★)

 あと、Hi-D、Aiといったヴォーカリストが参加している点も見逃せない。先日、AiとのコラボレイションをプロデュースしたDJ Pat→504にインタビューした時、こんなエピソードを語ってくれていたので紹介しよう。
 「Aiちゃんは最初、あんな歌ってもらうはずじゃなくて、『コーラスだけやって』って頼んだんですよ。スタジオで一緒にリリック書こうよって、Aiちゃん書く気になってくれて4小節書いてくれて。で、やっぱ彼女天才だから自分の得意のメロディを速攻で作って。本当にすぐ作った。それまで普通に喋っていたのに、『ちょっと書きます』って、書いて。スタジオ来た時、はじけちゃって、ずっと踊っていたんですよ。でもノリノリで作らないと、やっぱノレないじゃないじゃないですか。色んなHip Hopはあるけれど、俺のプロデュースするのっていうのは絶対ノリノリで、座ってジーンとするのはダメなんですよ。雷っていうテイストは、暴れてないとやっぱダメだし、何かジーンとしてるのは雷じゃねぇ。その中でAiちゃんはバッチリ」(DJ Pat→504)

 因みにAiとの曲はHab I Screamも参加しており、誰も体感したことがない面白いコラボレイトとなっているので、是非ともチェックして欲しい。ライヴでもまだまだ驚くエレメンツが待機しているし。
 「アルバムをチェックしてもらって、百万回ぐらい聴いて貰って、ライヴ会場に来てくれれば新たに裏切られる部分も出てくるから。勝手に持っているイメージを壊したい。あと、今年はレゲエのダンスにも積極的に参加していきたいと思っているし、また『Riddim』のパーティがあったら、いの一番で駆けつけるから、そのとき会いましょう」(Rino)

["330 -more answer no question-" Release Party ]
●4/17(土) 渋谷 O-East [時間] Open18:00/Start 19:00 [料金] 前売\3,800/当日\4,300 [問] Disk Garage/03-5436-9600
●4/25(日) 大阪 Bayside Jenny [時間] Open18:00/Start 19:00 [料金] 前売\3,800/当日\4,300 [問] Bayside Jenny/06-6576-5640


"330-More Answer No Question"
Kaminari-Kazoku
[Monohon / Xtralarge / POCE-8421]