93年からマイクを持ち始め、自身のイヴェントやホストMCとして地元大阪・泉州だけでなく、日本全国を精力的に活動するDJBukky Rankinがミニ・アルバム『Over The Door』をリリースする。その意気込みを語ってもらった。

「95年の初7"シングルのリリース以来、途中ブランクはあるけど、こうしてミニ・アルバムを出すきっかけとしては、チンピラーと出会った事が大きいです。初めて顔合わせた時『こいつとは合わんな』と思って楽屋でも背中合わせで座ってたんですよ。ところが僕が何か落とした時に彼が『落ちましたよ』て拾ってくれて『ああ、こいつエエ奴っちゃな』と。互いのやっていた昼間のお仕事の名刺を交換して(笑)、同い年という事もあったり、僕がジャマイカに行く日を憶えていて前夜に電話くれたりね。それで更に『こいつエエ奴っちゃな』って。それから彼がミニ・アルバムを作る時に僕をフィーチャーしてくれたり、北陸のイヴェントに呼んでくれたりして、全国各地のレゲエ・シーンと交流が出来た。彼との出会いは本当に大きいです」

 「受ける為、受け入れられる為に自分が思ってもない事を歌うことはできない。例えば子どものようなアイドルが、愛がどうの歌ってもそれは嘘。経験した事や自分にとってリアルな事だけを歌っていきたいです。歌詞カードを見ないと何を言ってるのか判らないものではなく、なるべく伝わり易いリリックとライミングで。歌詞は怒ってる時とか、上でも下でも精神状態が普通のラインを超えてる時に思い浮かぶ事が多い。忘れないように常にヴォイスレコーダーを持っています」

 「やはりもう一歩進みたい、自分の歌を全国の人に聴いて欲しいという想いでアルバムを出そうと今年の夏前から制作に入りました。NG Headのリズムも手掛けたSmokeyが一曲、あとはB.R. Move-mentというサウンドのMr. Ruがリズム・トラックを制作。レコーディングからマスタリングまでは昔からお世話になっているAbbyスタジオ。イントロとかヴォイシングについても色々なアイデアがあって、そういうのを快く試させてくれました」

 「参加しているK.O-G、G-Manとは3〜4年前から一緒にイヴェントに出ている仲間。自分も最初はチンピラーのミニ・アルバムの客演で参加したし、同じようにこの二人の曲も皆に聴いて欲しいと思い、CDを出すにあたって声を掛けました。“一音一会”……これは自分で作った言葉ですけど、自分がこれまで来た道のりはチンピラーを始めK.O-G、G-Man、今回リリースするエース・プロモーションのワカさんや応援してくれる全国の人達との出会いがあったからこそ。レゲエを通じて教わる事や感動する事、そういうのを一生味わいたい。自分自身がどん底の時に作った曲もあるけど、それを聞いて励まされたり、目標に向かって進む事が出来たという声を聞かされた時が一番嬉しいです。心の栄養剤を目指しています。これを聴いてガーっとアツくなって欲しいですね」

 「歳をとったら無茶苦茶旨いタコ焼き屋のオヤジになりたいですね。毎日ガンガン歌いながらタコ焼き焼くみたいな(笑)」



"Over The Door"
Bukky Rankin
[Ace. Pro. / APCD-001]