「Your Love Is My Love」、1stアルバム『Terry Linen』のヒットから実に4年振りのニュー・アルバムを制作中というテリー・リネンが来日。彼の前作のプロデューサーでもあるレッド・ローズと、一緒にツアーを回っていたDee Jayのニューズ・マンと共に本誌初インタビュー。取材中あのスウィートな美声で何度も熱唱しれくれ、思わずうっとり……その歌声そのままの好青年だった。

自己紹介をして下さい。
Terry Linen(以下T):名前はテリー・リネン、ジャマイカから来ました。本名はキップリン・シンプソンで、今25歳だよ。レゲエ・エンターテイナーさ。

名前に何か意味はあるのですか?
T:ガーネット・シルクが大好きで、彼の様に歌ったりしていたんだ(その後熱唱)。そしてある時思いついたんだ、“テリー・リネン”。彼は“シルク”で俺は“リネン(=亜麻)”、誰も使ってないだろ?

1stアルバムに入っている曲「Your Love Is My Love」でスパニッシュ・ヴァージョンが収録されていますが、スペイン語も話せるのですか?
T:あれはスペイン語を話せる友達だよ。俺自身はほんの少しだけで、殆ど話せないんだ。

どの様なきっかけで音楽活動を始めたのですか?
T:俺は田舎(Christiana)で育ったんだけど、いつも街からサウンドがプレイしに来ていたんだ。その時いつも俺が歌うのを聴いていた友達から「お前の声は凄くいいから今夜マイクを持つんだ」って言われて…その頃から地元出身のサウンド、ブラック・キャットのダンスに行くようになったんだ。そしたら「お前の曲はいい」って気に入られてその後も歌い続けたんだ。そしてスタジオに呼ばれてダブを録ったりして。それからは段々とだね。

影響を受けたアーティストは?
T:ホイットニー・ヒューストンとスティーヴィー・ワンダーさ。あとルーサー・ヴァンドロス。リアル・ソウル・レゲエが好きなんだ。

好きな曲は?
T:ホイットニー・ヒューストンの「One Moment In Time」。この曲が一番好きでとても心動かされるんだ(その後熱唱)。

あなたのそのスウィートな美声を保つ為に、歌う際何に一番集中して気を使っていますか? シンガーを目指す読者の為にも秘訣があったら教えて下さい。
T:肉を食べずフルーツをたくさん食べて野菜を摂ること。お酒も飲まないし、タバコも吸わないしね。あとはエクセサイズをすることかな。

レッド・ローズとの出会いは?
T:デリバリーの仕事をしていたんだけど、ある晩デリバリーでスタジオに行ったんだ。そしたらそこにレッド・ローズがいたんだ。それが彼との最初の出会い。そしてその夜すぐ他の人が俺のレコーディングをしようとしたんだけど、結局レッド・ローズがレコーディングしてくれたんだ。その夜いきなり2曲録ったんだけど、その時の1曲が「Rainbow Never Touch The Ground」だよ。
Anthony Red Roze(以下R):俺達はその夜出会うべくして出会ったんだ。それ以来友達であり兄弟の様なものさ。
T:そしてその流れでレッド・ローズが1stアルバムを作ってくれたんだ。でもその頃、田舎から越したばかりだったり体調が悪かったりでPVやプロモーションがあまりできなかったんだ。

近年日本のレゲエ・アーティストとも仕事をする機会が多いと思うのですが、例えばホーム・グロウンやヘモ&ムーファイアと仕事してみてどうでしたか?
T:うん、良かった。とても楽しんで出来たよ。彼らは曲をきちんとプロデュースしてくれる。そういうやり方もとても好きさ。また、こうやって日本に来ても現場で友達が俺の曲を掛けてくれるし、アジアの人にも俺の曲を聴いてもらえる機会が増えて嬉しく思っているよ。

去年に続いての来日となりますが、滞在は如何でした?
T:言葉の違いはあるけど、あとはゼスチャーで(笑)。みんなとてもフレンドリーでよくしてくれるしね。今回は都会から地方まで日本の沢山の違った所を見れて楽しかったよ。とてもきれいな国だし人も親切で日本は大好き、文句ないよ。ジャマイカに戻ったらみんなに話すよ。

日本のレゲエ・シーンをどう感じられましたか?
R:何もジャマイカと違いはないよ。それよりかジャマイカからとても遠いし、言葉も違うのにステージで歌っているとお客さんも一緒になって歌ってくれて…日本のみんなには凄く感謝しているよ。

それこそ正に“Power Of Music”ですね。
T:その通り。そういったことが次の作品へのパワーになっているよ。
R:君達みんなが刺激をくれて原動力となっている。
News Man:俺達はアジアの中でも特に日本に感謝しているんだ。文化も全然違うのにとてもレゲエをシリアスに受け止めてくれている。この状況が信じられないし、とても嬉しく思うよ。

現場で掛かっている曲に違いを感じますか?
T:それも殆どない。変わらないよ。

近い将来一緒に仕事してみたい特定のアーティストは?
T:ずっとホイットニーが好きで彼女の曲を聴いて育ったから、いつか一緒に曲をやってみたいな。あとはスティーヴィー・ワンダー。日本のアーティストとも英語と日本語でコンビネーションしてみたいね。俺自身日本がとても好きだし、彼らも俺のことを好いてくれる、だからその愛をシェアしたいと思う。

2ndアルバムのリリース予定は?
T:今作っているよ。2月末くらいかな。

では、そのアルバムの内容と前作との違いを聞かせて下さい。
R:このアルバムは前作よりもっとラヴァーズが強調されているんだ。まだタイトルは決まってないけど、アイデアはあるよ、“Love and Fire”さ!

わぁ、それは随分お熱いタイトルですね。何だか照れます。
(一同笑い)
T:そう、テリー・リネンから“Love and Fire”さ!(笑) リリックには気を使ったよ。スラングなど入れず、きれいなものをって心掛けて作ったんだ。

どこからリリースする予定ですか?
R:前作同様、VPとRaggedy Joeの予定だよ。

2006年の活動予定は? 
R:アルバムが出るし、プロモーションの年だね。世界中でテリー・リネンが広まるよう沢山の場所、色々な国の多くの人たちの前でパフォームするよ。

最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
T:君たちがサポートしてくれるように俺もいつもそれに応えるよ。Your Love Is My Love, My Love Is Your Love…曲名のようにね。Bless Japan, Bless Japanese People.




"Terry Linen"
Terry Linen
[VP/Raggedy Joe / VPCD 1627]